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【焼き物】知る人ぞ知る名器『平清水焼』

焼物、陶磁器は古くから人々を魅了し、モノによっては城一つの価値があるとまで言われました。
焼物の原料は土であり、その性質によって色合いや質感は大きく変わってきます。
このことからその地域に根付いた様々な特徴の焼物が制作されてきました。

皆さんがよく聞いたことのあるものとしては佐賀県の「有田焼」、京都の「清水焼」、岡山県の「備前焼」などがあるかと思います。
西日本を中心にこうした「名器」と呼ばれる焼物が作られるなか、東北地方の山形県にも歴史を彩った「名器」があることをご存知でしょうか。

今回は知る人ぞ知る日本の宝、「平清水焼」についてその成立ちから特徴、窯元などをご紹介していきます。

平清水焼とは

平清水焼(ひらしみずやき)は山形県山形市平清水で焼かれる陶磁器です、
千歳山の原土を用いて焼かれることから「千歳焼」ともいわれます。

興りについては諸説ありますが、丹羽 治左衛門が畑仕事と両立して焼物を作り始めたことから始まったと言われています。
その他にも天台宗の3代目座主、慈覚大師が焼き方を教えたとされる説もあります。
その後、常陸の国(現在の茨城県北東部)出身の陶工、小野 藤次兵を招き大きく発展していきました。

陶芸の里と呼ばれる山形でも最も古い歴史を持ち、「四大古窯」の一つとされています。
江戸時代中期の文化年間(西暦1800年頃)に本格的に作成されるようになり、幕末にかけて爆発的に窯元が増え、数々の作品が生み出されました。
幕末になると、藩からの支援がなかなか受けられず、衰退してしまいます。
さらに昭和になると職人たちが兵隊として徴兵され、一時は消滅の危機もありました。

後に紹介しますが、現在では数少ない職人の元で素晴らしい作品が作られています。

平清水焼の特徴・種類

上述したように山形市の千歳山の土を使って焼かれるのが最大の特徴です。
千歳山の土には鉄分が多く含まれ、その硫化鉄が炎と反応することで独特な色合いを表現できます。
ここでは平清水焼の代表的な陶磁器3種類を紹介します。

・梨青瓷(なしせいじ)
平清水焼の代名詞といってもいい代表的な焼物です。
還元炎焼成によって作られる平清水焼にしかない梨の皮のような質感、薄く青みがかった色合いを「梨青磁」と呼びます。
鉄分が多い千歳山から採れる土の性質を活かした独特の色合いとなっています。
これは電気窯では表現できないこだわりのポイントとなります。

・残雪釉(ざんせつゆう)
梨青磁とは異なる釉薬を使用することでまた一風変わった真っ白な色合いを表現することもできます。
白い肌の中に、少し黒い斑点が残ることで、千歳山に残るなごり雪を彷彿とさせます。
シンプルなデザインで現代でも人気が高く、お茶碗やぐい呑みが多く製作されています。
和洋中問わず、様々な料理を際立たせることができる美しい焼物です。

・辰砂釉(しんしゃゆう)
銅を含んだ赤い色の釉薬を塗って焼き上げることで独特な深みを持った赤色に焼き上がります。
焼き方によっては薄い色合いや濃い色合いなど変化を持たせることもできます。

平清水焼の窯元

平清水焼は江戸時代から明治中期にかけて大きく発展しました。窯元の数は多いときには30軒を超えましたが、令和の現在では2軒を残すのみとなってしまいました。
それぞれの窯元で得意な色合いや、作られるものも大きく変わってきます。

この素晴らしい焼物を残すため、歴史を絶やさぬように創意工夫を凝らしている窯元についてご紹介します。

・青龍窯
【平清水焼の特徴・種類】でご紹介した「梨青瓷」や「残雪」を作り出したとされるのがこの青龍窯です。平清水焼の祖である丹羽 治左衛門の流れを汲んでいます。
千歳山で採れる土の味わいを残しながらも、常に新しいものを追い続けている独創的な窯元です。
現在は丹羽 真弓氏が6代目窯主として「残雪」を中心に数多くの作品を作っています。

以前は陶芸教室なども行っていたようですが、残念ながら現在は実施していないようです。

上記にあるように「梨青瓷」や「残雪」をメインとして、シンプルなデザインの陶器を多く販売しています。
ネットショッピングにも出品しており、普段使いできるような茶碗や湯呑みもお求めやすい価格で販売しています。
Facebook、Instagramもやっているので興味のある方はぜひ一度見てみてください。

住所:山形県山形市平清水50
TEL:023-631-2828
Mail:seiryugama@poppy.ocn.ne.jp
Facebook:https://www.facebook.com/seiryugama/
Instagram:https://www.instagram.com/hirashimizu_seiryugama/?hl=ja

・七右エ門窯(しちえもんがま)
七右エ門窯は古くから民芸陶器の製作に長けており、トイレや台所で使用する大型の水瓶などをメインとして製作していました。現在でもその特色が残っています。
茶碗や壷などの陶器職人も多かったのですが、現在ではその需要も薄れてしまい、お皿やマグカップ、ビールグラスなどの日常的に使用するものを多く製作しています。父の日や母の日の贈り物として購入する方も多いようです。

現在の窯主は7代目高橋 正氏です。
陶芸や焼物と聞くと敷居が高いように感じてしまいますが、7代目は「興味がある方は年齢問わず陶芸教室にぜひ」ということで陶芸そのものを広める活動をしています。

外観は古民家のようで畳張りの室内に常時300点以上の商品が並べられています。
お土産として店内にある商品を購入することも可能ですし、オーダーメイドで名入れをすることもできます。

陶芸教室や工場見学も積極的に行っており、お子様連れの方も多く訪れているようです。山形に旅行に行った際にはぜひ七右エ門窯で自分だけの一品を作ってみてください。
焼き上がった後に自宅まで郵送してもらえます。
※感染症対策のため休業している場合もあるのでご訪問の際は先にお問い合わせをしてみてください。

住所:山形県山形市平清水153
TEL:023-642-7777
Mail:sitiemon@amber.plapla.or.jp

代表的な作家

・丹羽 龍之介
青龍窯の3代目当主。
幕末ころに藩からの支援が得られなくなり、衰退の一途を辿っていた平清水焼を再興した人物であり、最も有名な「梨青瓷」を創り出しました。
「梨青瓷」は昭和33年にブリュッセル万博でグランプリ受賞という輝かしい実績を残しています。

・丹羽 良知(りょうち)
青龍窯の4代目当主。
戦後、14歳のころに平清水焼に出会ったそうです。3年の修行の後、青龍窯の養子となります。
先代の丹羽 龍之介の技術を引き継ぎ、「梨青瓷」を広めるとともに、平清水焼の新たな可能性である「残雪」を創り出しました。
彼は誰かの真似をするよりも世の中を驚かせるようなものを作りたいという強い思いを持ち、創作活動に臨んでいました。
その創作意欲はとどまることを知らず、一陶芸家として自主制作にも力を入れました。その結果、「振分」や「線蚊」というような代表作を数多く残しています。

まとめ

ここまで「平清水焼」の成立ちや特徴、窯元についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
独自性が非常に高く、千歳山の土を使ってしかでしか作ることができない「平清水焼」の美しさや素晴らしさが少しでも伝わっていましたら幸いです。
現在、精力的に活動している窯元は2つしかありませんが、それぞれが持ち味を活かして素晴らしい作品を生み出しています。
青龍窯はその独自性や創造力をとことん突き詰め、後世にも語り継がれる作品を残し続けています。
一方、七右エ門窯では数多くの人に焼物や陶芸をより身近に感じてもらえるよう、陶芸教室やインターネット販売を中心に普及活動に力を入れています。
それぞれ方向性は違うものの、どちらも「平清水焼」を後世に残そうという強い意志を感じます。

普段生活しているとなかなか本格的な焼物と触れ合う機会は少ないのが現状だとは思いますが。「平清水焼」は1,000円〜3,000円程度の商品もあり、意外とリーズナブルな価格帯で購入することが可能です。
料理の味は器で大きく変わると言われています。普段の食事にさらに彩りを加えるために試しに1つ購入してみるのはいかがでしょうか。
また、ご両親や大切な人に思いを込めて贈ってみるのも良いかもしれません。

この記事をきっかけに「平清水焼」、ひいては日本の伝統工芸である陶磁器に少しでも興味を持っていただけたなら嬉しく思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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