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【焼き物】『会津本郷焼(あいづほんごうやき)』について解説します【福島県】

会津本郷焼をご存じでしょうか。350年以上続く会津の伝統工芸品で、急須や皿、コーヒーカップなどの食器をお店などで見かけることがあると思います。美しい艶のある飴色の作品は重厚感があり気品を漂わせています。
職人が一点一点丁寧に作り上げた作品は色、形、大きさが全く同じものはなく、まさに唯一無二の存在です。今回はそんな会津本郷焼の歴史や特徴などについて解説いたします。
具体的には、

・会津本郷焼の歴史
・会津本郷焼の特徴
・会津本郷焼の作品や窯元

と言った内容を書いていきます。この記事を読めば会津本郷焼の魅力がお分かり頂けると思いますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

会津本郷焼 とは

会津本郷焼はどのように誕生したのか。ここでは会津本郷焼の歴史についてお話したいと思います。

会津本郷焼のはじまり

会津本郷焼は400年以上前、安土桃山時代の1593年(文禄2年)に若松上の藩主である蒲生氏郷が城の修理のため薩摩国(兵庫県)から瓦職人を招きよせ、瓦を焼かせたのが発端といわれています。ただし、本郷で焼き物が作られ始めたのは1645年(生保2年)になります。
会津藩主・保科正之は尾張国瀬戸の焼物師である水野源左衛門を呼びよせ、源左衛門が本郷で原土を採取したのをきっかけに陶器が作られようになりました。こうして会津本郷焼が始まったのです。

そんな中、磁器の始まりは遅れること1800年になります。本郷村で上質な土が見つけ出され、会津藩は陶器を作らせるため江戸から焼物師を呼びよせましたが上手くいきませんでした。そのため伊兵衛を有田に忍び込ませます。有田で伊兵衛は死にもの狂いで焼成技術を取得し本郷村へ戻ります。伊兵衛が戻ると会津藩はすぐに窯を作り、陶器を見事作り上げることが出来ました。これが1800年(寛政12年)の出来事です。

最盛期から衰退へ

戊辰戦争が勃発し、職人たちも会津藩として出征することになりました。その間に戦火によって陶器設備が消失してします。壊滅状態となった陶器設備ですが職人たちの努力によって10年かけて復活させるのです。
その後、内国勧業博覧会に出展し、ここで会津本郷焼と呼ばれるようになります。これを機に会津本郷焼は繫栄期を迎えるのです。国内外からの大量受注により勢いを増してきますが、1916年(大正5年)の大火災による設備の焼尽や、時代の移り変わりにより徐々に人気が下降していくのでした。

にしん鉢で再注目、そして現代へ

1958年(昭和33年)にブリュッセルで開催された万国博覧会で宗像窯の「にしん鉢」がグランプリを獲得し、再び会津本郷焼が注目されるようになります。
1993年(平成5年)、通商産業省(現経済産業省)より伝統工芸品の産地として認定されます。

350年という歴史の中で会津本郷焼は浮き沈みを繰りかえしながらも、伝統工芸として守り続けられているのです。現在では窯元たちが伝統を守りながらもシンプルかつ斬新なデザインの作品にも取り組んでいるようです。これからもずっと会津本郷焼は地域の人々に愛され受け継がれていくでしょう。

会津本郷焼 特徴

会津本郷焼には、瓦焼の流派を受け継いだ陶器と、地元の大久保陶石を使用した磁器があります。関東以北で石を原材料をとした焼き物は会津本郷焼のみです。
以前は100以上の窯元がありましたが、現在はかなり減少してしまったようです。

会津本郷焼の磁器

採掘された大久保陶石は1年以上雨風にさらした後、砕きふるいにかけ細かいものだけを使います。水を加えて粘土ができ、成形、釉薬、絵づけをし約1000~1300度で焼き上げます。
現在ではガスや電気窯を使いますが、今でも登り窯を使用している窯元も存在しています。

会津本郷焼の陶器

陶器には呉須での染付や日本だけでなく西洋の絵具を使用した色絵など多種多様な作品があります。
会津本郷焼は伝統的な飴釉の薄茶色の光沢が有名ですが、その象徴が「にしん鉢」です。
ほかには大鉢や花器、食器も名高く特に急須については、明治末期に本郷の職人が急須の茶こし部分を発案し広く知られるようになりました。

会津本郷焼 種類

会津本郷焼といえば陶器の印象が強い感じがしますが、実際は陶器だけを扱っている窯元は現在わずか1件です。陶器だけでなく磁器も多く焼かれていることが分かります。このように陶器と磁器、両方が産地の伝統工芸品というのも全国的にみても珍しいでしょう。

江戸を取り締まっていた奉行所の廃止により、窯元たちが自由に独自のスタイルで作品を製作するようになります。
急須、花器、皿など伝統的な作品からコーヒーカップやアクセサリーなどお洒落で実用的な作品まで多様な顔ぶれとなっています。会津の民芸品をテーマにしたもの、ろくろ目のある器など窯元の個性が発揮されています。磁器では流れ釉で知られる流紋焼が有名です。
使用されている釉薬は飴釉だけでなく、青磁釉、白磁釉、炭化釉など様々です。色や光沢などの見た目、また手触りなどの風合いも様々ですので、好みの作品をきっと見つけることが出来るでしょう。

会津本郷焼 窯元・作家

ここでは現在活動している会津本郷の窯元をいくつかご紹介します。

宗像窯

伝統民芸陶器の老舗窯元。大鉢からマグカップのような食器類まで大小さまざまな作品を作っています。伝統的でとても崇高な感じがする一方、落ち着きや温かさを与えてくれます。現在も本郷で唯一存在する登り窯で焼成しているのも魅力のひとつです。ブリュッセル万国博覧会でグランプリを獲得した「にしん鉢」で知られる窯元です。

酔月窯

老舗の窯元で主に食器を手がけています。地元の八日町粘土を主原料とした絵具で描かれた会津らしい柄も素敵です。頑丈で割れにくい素朴で飽きのこない食器たちは地元の人たちから愛されています。

富三窯

1872年(明治5年)に始まった老舗の窯元です。花椿の柄で知られており「椿の富三」とまで呼ばれるように。椿の赤色など、色使いも細かく変えていき非常に繊細に表現されています。椿以外の絵づけもおこなっており、いずれの作品も作り手の優しさがにじみ出ています。

流紋焼

会津本郷で最大規模の窯元で、そのため土産物店など流紋焼の作品を目にする機会も多いでしょう。流紋焼ならではの紋様が特徴ですが、最近は猫をモチーフにした可愛らしい作品も作っており見る人を楽しませてくれます。

陶房彩里

2007年年に夫婦で始めた窯元。実用的な器をメインとしお洒落で温かみのある作品のほか、赤ペコをモチーフにしたものなど斬新で楽しめる作品も多数あります。

かやの窯

筆使いが特徴で、その筆で生み出される色彩の濃淡は全て異なる模様に出来上がります。作品は茶器から日用陶器など様々です。

関山窯

器作り約280年の窯元。伝統を継承しながらも時代に合った作品を作っています。鬼瓦のストラップが人気です。

樹の音工房

2001年に会津本郷焼の窯元から独立し、現代生活と溶け合う器が魅力的です。若い世代にも本郷会津焼の良さを知ってもらう場として2005年には「cafe yuinoba」を開店しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。会津本郷焼の歴史、特徴や作品についてご紹介しました。
最後にポイントをまとめておきましょう。

・会津本郷焼は350年以上も続いている会津の伝統工芸品
・特徴は、陶器と磁器の両方を作成
・磁器は地元の大久保陶石を使用
・飴釉の「にしん鉢」が有名
・一窯元一産地と言われるほど窯元の個性が光る

長い歴史の中で浮き沈みを経験しながら会津本郷焼の伝統を守り続け、現代に受け継がれています。窯元ごとに個性ある作品を生み出し、一つ一つ手作業によって丹念に作られた作品はまさに世界にひとつだけの存在なのです。
シンプルなものから、キレイな色彩のものまでバラエティーに富んだ作品は見る人を飽きさせません。また、見た目だけでなく使い勝手のよさも焼き物ファンから広く愛用されているのでしょう。

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