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金継ぎのパテはどれがおすすめ?わかりやすく解説します

簡易金継ぎに欠かせない材料の一つがパテです。
手持ちがなくなると補充が必要ですが、初心者の方にとっては自分で最適なパテを選んで購入するのはハードルが高いもの。

金継ぎに適したパテはどのように選べばよいのでしょうか。
今回は、簡易金継ぎに使用できるパテの選び方と、市販のもののなかからおすすめを紹介します。

簡易金継ぎにおけるパテの役割

そもそも、簡易継ぎでパテが必要になるのはどのような場面なのでしょうか。
パテにどのような役割があるのか、詳しく解説します。

欠けた部分の埋めやヒビの補正に使われる

簡易金継ぎでは、欠けて破片がない部分の肉付けや、割れてすき間が空いた部分を埋めるためにパテを使用します。

金継ぎでは割れた際に細かい破片を拾い切れず、接着剤で接合しただけではヒビが残ることも多いです。
そのため、パテによって不足した部分を補います。

パテは粘土状の接着剤のようなもので、作業時は柔らかく肉付けや穴埋めに適していますが、時間の経過とともに硬化します。

金継ぎに使用するパテは硬化後に削ることができるため、塗ったあと滑らかに加工することも簡単です。

伝統技法の金継ぎでは「錆漆」を使う

伝統技法の本金継ぎでも欠けた部分を埋めることは多いのですが、この場合は「錆漆(さびうるし)」と呼ばれる漆を使います。

本金継ぎでは、ベースとなる生漆とさまざまな材料を混ぜ合わせて用途に応じた漆を作ります。
錆漆は、生漆と砥の粉(砥石に使われる岩石の粉末)を混ぜて作ったものです。

天然由来の材料を使うため安全性が高いのですが、湿度管理が必要で乾燥に時間もかかるため、簡易金継ぎでは市販のパテで代用しています。

簡易金継ぎに使うパテを選ぶポイント

簡易金継ぎに使うパテを自分で選ぶ場合、金継ぎに向いた商品かを確認しなければなりません。
注意したいポイントを紹介します。

簡易金継ぎに使うならおすすめはエポキシパテ

パテにはさまざまな種類がありますが、簡易金継ぎに使うならエポキシパテがおすすめです。
硬化が早く接着力に優れており、成型もしやすいという特長があります。

家庭用製品のラインナップも豊富で、ホームセンターでも購入可能です。

家庭用のエポキシパテはおもに円柱型で販売されており、内側と外側は異なる二種の成分でできています。
使用時は、厚めにスライスしてからピザのように必要分を切り出し、指で練って混ぜることで効果を発揮できます。

食品衛生法に適合しているか確認

金継ぎで修繕したあとの陶磁器を食器として使いたいのであれば、食品衛生法に適合したパテかどうかを確認してください。

エポキシパテの多くは食器への使用を前提としておらず、人体の内部に入ると有害な物質が含まれていることがあります。
市販のエポキシパテのほとんどが食品衛生法の基準に適合してないことも「簡易金継ぎで直すと食器として利用はできない」といわれる理由の一つです。

ただし、この場合もアクセサリートレーや個包装のお菓子などを盛る器として使うなら問題はないため、用途に合わせて材料を選びましょう。
後ほど、食器に利用できるパテを紹介しますので、そちらも参考にしてください。

陶磁器に使用できるかチェック

パテには、陶磁器に使用できないものも存在します。

たとえば、木工用のパテのなかには陶磁器に充填するとうまく接合できず、乾燥後にポロリと取れてしまうものもあります。

商品説明に使用できる材料が書かれていますので、購入前に確認しましょう。
石材や金属に充填できる商品であれば、陶磁器にも使用できるものが多いです。

誤って接着剤を買わないようにする

ホームセンターなどで購入する際に間違いやすいのですが、接着剤とパテは使用目的が異なります。

売り場やメーカーが共通しているため迷う人も多いですが「エポキシパテ」などとパッケージに大きく書かれているのでそれを目印にしてみてください。

また、エポキシパテの多くはチューブではなく円柱型でケースに入って販売されていますので、見た目でも区別してみましょう。

初めての人は金継ぎキットを丸ごと買うのがおすすめ

ここまで簡易金継ぎ用パテの選び方を紹介しましたが、初めて金継ぎに挑戦するため自分で選ぶ自信がない場合は、金継ぎキットを丸ごと買うのがもっとも確実です。

必要な道具が一式揃っていますし、パテも簡易金継ぎ用のものとなっています。

すでにキットを持っている方なら、キットの販売元が追加購入用の材料を取り扱っているケースも多いです。
自分で選ぶよりも安心感が高いため、そちらも検討してみてください。

金継ぎにおすすめのパテ4選

実際に簡易金継ぎに使用するパテを探している方向けに、おすすめのパテを4種紹介します。

いずれも通販やホームセンターで手軽に購入できるものです。
ぜひ参考にしてください。

金継ぎ暮らし オリジナルエポキシパテ

メーカー・販売元金継ぎ暮らし
商品の特徴・キットに含まれるほか単体で追加購入可
・国産唯一の食器に使えるエポキシパテ
・金継ぎ教室でも使用されている
食器への使用
メーカーページエポキシパテ | 金継ぎ暮らし

金継ぎ暮らしオリジナルのエポキシパテです。
食品衛生法に適合しているエポキシパテとしては、唯一の国産品となっています。

このパテで器を修繕しても、引き続き食器として使用できるため実用性を損ねることはありません。

金継ぎ暮らしの開催する金継ぎ教室で実際に使用しているもので、初心者の方でも扱いやすいことが特徴です。
現在は金継ぎ暮らしの公式通販サイトのみで取り扱っており、ホームセンターなどでは販売していません。

セメダイン エポキシパテ 金属用/木部用

メーカー・販売元セメダイン株式会社
商品の特徴・硬化までが10分と早い
・硬化後は非常に丈夫
・サンディングもOK
食器への使用×
メーカーページエポキシパテシリーズ|補修|家庭用|セメダイン株式会社

接着剤メーカーとして有名なセメダインのエポキシパテです。
同社のエポキシパテは他にも商品がありますが、金属用と木部用は10分で硬化し、陶磁器に使用できます。

なお、あくまで工業製品であるため食器への使用はできません

修繕後はインテリアや食品以外の容器として使用しましょう。
生き物の飼育容器の修繕にも使えないため、メダカ飼育用の睡蓮鉢などもセメダインのパテでは直せません。

レクターシール エポキシパテ

メーカー・販売元レクターシール(ユニテックが販売)
商品の特徴・食品衛生法適合のエポキシパテ
・接着後15分~20分程度で硬化
食器への使用
販売会社ページレクターシール EP-200|クリエイト株式会社

レクターシール社が製造しているアメリカ産のエポキシパテです。

数少ない食品衛生法適合の商品で、食器の修繕に使用できます。

蒸気配管や水道管にも使用できるほど耐水性が高いため、汁者のお椀などに使っても安心です。

ゴリラ エポキシパテ

メーカー・販売元The Gorilla Glue Company(国内の販売は呉工業株式会社が代理)
商品の特徴金属やガラスの修繕にも使用可能
食器への使用×
販売会社ページゴリラ エポキシパテ|呉工業株式会社

アメリカの接着剤メーカー、ゴリラのエポキシパテです。
陶磁器以外の素材にも使用できるため、伝統技法では修繕難度の高いガラスの金継ぎなどにも気軽に挑戦できます。

ただし、こちらも食品に触れる部分の修繕には使うことができません。
例えば、ワイングラスのプレート(全体を支える底の部分)には使用できますが、飲み口などには使わないようにしてください。

パテは用途に合ったものを選ぶことが大切

金継ぎで使うパテを選ぶ際は、陶磁器に使えるかどうかは必ず確認しましょう。

食器として使い続けたいのであれば、食品衛生法に適合しているパテかどうかも大切です。

金継ぎ暮らしでは、実際に金継ぎ教室でも使用している食品衛生法適合のパテを単体で販売しています。
安全な材料で実用的な金継ぎに挑戦したい人は通販ページもぜひ覗いてみてください。

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