金継ぎとは?実は身近で初心者も挑戦できます

日本伝統の修繕技術である金継ぎは、近年その魅力が再発掘され注目を集めています。
しかし、どこか縁遠く、敷居が高いと感じてしまう人も多いのではないでしょうか。

実は、金継ぎは思い立ったらすぐに始めることもできます。
大切なお茶碗やお皿が割れてしまったら、金継ぎに挑戦してみませんか?

今回は、金継ぎとはどのような技術なのか、どうすれば始められるかを詳しく紹介します。

金継ぎとは

金継ぎとは、古くから受け継がれる陶磁器など焼き物の修繕技術です。

割れたり欠けたりした部分を、天然の接着剤である漆で修繕し、継ぎ目に金粉を撒いて化粧を施します。

こうすることで、器の表面は金色の継ぎ目で飾られ、破損箇所を個性として愛でながら使い続けることができるのです。

金継ぎの歴史

金継ぎの歴史は古く、室町時代よりお茶の文化の発展とともに進化してきました。
古い時代の国産茶器は食器としての実用に耐えられない品質のものが多く、数少ない中国からの輸入に頼っていました。

室町時代以降、貴重な茶道具を持つことは身分の高い人々のステータスとなっていきます。

高価な茶器の破損をなんとか直せないか、というニーズに応える形で、金継ぎの技術が広がったと考えられています。

現代に生きる金継ぎの技術

歴史の古い金継ぎですが、近年再び脚光を浴びています。
各地の工房が金継ぎによる修繕を受け付けているほか、金継ぎの体験ができる教室も存在します。

現在確立されている金継ぎの技法は、大きく分けて「伝統的な本漆の金継ぎ」「簡易金継ぎ」の二種類です。

伝統的な本漆の金継ぎ

本物の漆を使った金継ぎは、古くから受け継がれた日本の伝統技術です。
樹液から作られた漆を使って継ぎ目の接着や埋めを行います。

天然由来の材料を使うため人体に優しく、修繕した器は食器として使うことも可能です。
ただし、漆は乾燥中に厳重な湿度管理が必要であり、工程ごとに時間も手間もかかります。

工房にプロの修繕を依頼する場合は、本漆による金継ぎを行うことがほとんどです。

手軽にできる簡易金継ぎ

接着剤で破損箇所を継ぎ、金粉を撒いて仕上げる簡易金継ぎという手法も存在します。

本漆の代わりに漆に似た人工接着剤やパテを使うため、手がかぶれず乾燥も早いというメリットがあります。
ただし、伝統技法による金継ぎとは違い、修繕後に食器として使用できるキットは一握りです。

直したあと置物として愛でる場合や、食器以外の用途として使うのであれば選択肢に入ってきます。

金継ぎは初心者にもできる?

金継ぎと聞くと「難しそう」と感じる人も多いのですが、実は気軽に始めることができます。
奥が深く習熟するには相応の時間がかかりますが、どんなものか体験してみたいなら思い立ったときに挑戦できますよ。

金継ぎの基本的な作業工程

金継ぎのやり方は職人によって異なり、材料や手法もケースバイケースですが、おおまかな流れは以下のとおりです。

  1. 破片や欠けた部分の処理
  2. 破片の接着
  3. 欠けや穴の充填(必要に応じて)
  4. 接着した部分の下地処理
  5. 金粉を撒く

本漆を使った金継ぎでも簡易金継ぎでも上記の流れはおおむね共通していますが、乾燥にかかる時間や必要な材料が異なります。

ワークショップで金継ぎを体験

焼き物を扱う工房のいくつかは、初心者向けの金継ぎワークショップを行っています。
プロの指導を受けながら手ぶらで金継ぎを体験できるため、入門にはぴったりです。

料金は金継ぎの技法によっても異なりますが、1回1万円以下で体験できるところも多いです。
金継ぎの教室は全国で開催されていますので、自宅から通える教室がないか探してみてください。

自宅でできる金継ぎキットも

金継ぎに必要な道具と材料が一式揃った金継ぎキットも販売されています。
初心者でも始めやすいよう、パンフレットや動画教材が一緒になったものもあり、学習しながら自宅で金継ぎができます。

簡易金継ぎのキットと、本漆金継ぎのキットどちらもあり、インターネット通販でも購入可能です。

初めて挑戦するのであれば、金継ぎ教室や工房が販売しているものを選ぶことをおすすめします。

金継ぎ暮らしでも食品衛生法の審査を通過した金継ぎキットを提供しています。

金継ぎ暮らしの公式オンラインショップはこちら

金継ぎのよくある質問と回答

初めての金継ぎでは、疑問に思うことや分からないことも多いものです。
当サイトに寄せられる、金継ぎのよくある質問をご紹介します。

金継ぎで直せないものもある?

金継ぎは、陶器や磁器の器であれば多くのものを修繕できます。
ただし、修繕そのものは可能でも、金継ぎで直すとその後の使用に適さなくなるものもあります。

例えば、土鍋や釜などの直火で使用する調理器具には向きません。
漆の耐熱温度を超えてしまうと再度破損する原因となります。

また、漆は長期間の水没によりダメージを受けるため、花瓶の底や睡蓮鉢の修繕にも適しません。

そのほか、同じ焼き物でもガラス製品の金継ぎには注意が必要です。

ガラスは漆の付きが悪いため、専用の漆を使った特別な技法での金継ぎが必要です。
難度が高く、プロの職人でも依頼を断るケースもあります。

初心者の一作目には向かないでしょう。

金継ぎを教えてもらえる教室はある?

各地の金継ぎ工房のなかには、一般の人向けの習い事教室を開講しているところもあります。
まずは体験だけしてみたい、という人には一日で完了するワークショップ形式のイベントがおすすめです。

当「金継ぎ暮らし」では、職人がマンツーマンで指導する金継ぎ教室を都内で開講しています。
簡易金継ぎ・本漆金継ぎの二つのコースがあり、希望に合わせて好きなものをお選びいただけます。

金継ぎキットで直した食器は使っても大丈夫?

修繕後の器を食器として使えるかは、使用したキットが本漆金継ぎのものか、簡易金継ぎのものかで異なります。

本漆による金継ぎを施した器は食器としての使用もできますが、簡易金継ぎのキットの材料は、食品衛生法上の全性が確立できていないものも多いです。
簡易金継ぎのキットで、材料が安全基準をクリアしているか不明な場合は、食品に触れない形での使用をおすすめします。

金継ぎ暮らしで取り扱う簡易金継ぎキットの材料は、すべて食品衛生法の定める安全基準をクリアしたものです。

修繕後の食器で食事を楽しむことができます。
コストを抑えて手軽に金継ぎに挑戦したい方は検討してみてください。

金継ぎキットはどこで買える?

金継ぎキットは、漆器工房や一部百貨店で販売されています。

もっとも手軽に入手できるのはインターネット通販です。
Amazonや楽天など大手通販サイトでも購入できますが、始めのうちは漆器工房や漆メーカーの公式通販ページから購入することをおすすめします。

材料や道具の見極めが難しい初心者でも安心して購入できるからです。
金継ぎ暮らしでも、リーズナブルな価格で金継ぎを楽しめる専用キットを販売しています。

材料が足りなくなった場合は追加購入もできますので、慣れてくるまでは一つのキットで練習したい人にもぴったりです。

金継ぎは伝統的な器の修繕技術 自宅で挑戦できるキットもおすすめ

金継ぎの技術を使って修繕を行えば、愛着のある器を新たな姿で蘇らせることができます。

これから金継ぎを始める初心者の方なら、初心者向けの解説のついたキットや、講師の指導が受けられる教室から入門するのがおすすめです。

金継ぎ暮らしでは、関東を中心に初心者向けの金継ぎ教室を開催しています。
実際に教室で使用している金継ぎキットも通販で取り扱っていますので、これから金継ぎを始めてみたいという方はぜひ覗いてみてください。